『グアムの朝刊』2025.6.30 韓国からの航空座席数が増加、GVBが観光回復の勢いを報告
2025年6月30日 The GUAM DAILY postより抜粋、要約
グアム政府観光局(GVB)は現在、韓国からの航空便の大幅な回復を経験しており、今後1か月以内に1日あたり最大1,000席の追加が見込まれています。これは、6月27日(木)の理事会でジョージ・チウ理事長が報告。
チウ理事長は、就任から100日を迎えた新局長レジン・ビスコ・リー氏の業績を高く評価し、韓国を含む主要市場への積極的な出張と航空座席数の拡大に向けた取り組みが奏功していると述べた。
「6月1日以降に追加された座席は非常に好調で、初週の搭乗率は90%を超えていました」とチウ氏は報告。搭乗率とは、提供された航空座席のうち実際に利用された割合を指す。
韓国市場での成功は、韓国マーケティングチームとホ・ウン局長の努力によるものだと評価され、チウ氏は「韓国航空もまもなく毎日運航を開始する予定で、今のところ中断の予定はない」と述べた。また、ジンエアーやチェジュ航空とも引き続き追加便に向けて調整中とのこと。
こうした前向きな動きは、過去の韓国便減便に関する古い報道による一部の否定的なイメージを払拭するものとなっている。これらの報道については、GVBマーケティングチームが事前に予測していたもの。
リー局長は、韓国が引き続きグアムの観光市場で最大のシェアを占めており、日本市場は回復傾向にある一方で、アメリカ本土、ハワイ、フィリピンからの渡航者は若干減少していると報告。全体として、観光客数はコロナ前と比べて約43%の減となっている。
リー氏の初動100日間の働きについて、チウ氏は「個人的にはA評価をつけたい。彼女は韓国、日本、ワシントンD.C.、フィリピンなど多くの発地市場を訪れ、GVBの再編に取り組んでいる」と称賛した。
財政状況について
韓国からの便数回復という好材料がある一方で、GVBは財政的な課題にも直面。チウ氏は「観光施設基金が500万ドル不足する見込み」と警告し、追加資金の必要性を強調した。
「この勢いを保つには資金が必要です」と述べ、HOTボンド(ホテル税を担保とした債券)を活用した観光インフラ整備や、航空便の拡充に対応するためのマーケティング資金の確保に注力していくと語った。
台湾市場の取り組み
GVBは台湾の台中・台北・桃園でロードショーを実施し、計200人以上の旅行業者と交流。個別面談形式からプレゼン形式へと変更するほど反響が大きかった。11のGVB加盟団体が参加し、それぞれ台中で55名、台北で73名、桃園で42名の旅行代理店と面会した。
台湾発の便についても、4月・5月ともに搭乗率は73%と好調。ユナイテッド航空は9月26日までの特別運賃販売を12月31日出発分まで延長。また、GVBは台北観光博にも参加し、ユナイテッド航空が現地で直接チケット販売を実施。同時期にルー・レオン・ゲレロ知事も台湾を訪問し、台湾の総統と面会。両地の関係強化が図られた。
軍事演習の影響
GVBは、7月9日から8月9日に予定されている軍事演習が、観光のピークシーズンに重なることを懸念。ある理事は「繁忙期に3,500人の軍関係者が来島することで、ホテルの空きがなくなり、観光回復に水を差す」と発言。GVBはジェームズ・モイラン連邦下院議員に対し、演習時期の見直しを国防総省に働きかけるよう要請しましたが、時期変更の実現性は低いとの見解も示された。
日本市場の活動
GVBは日本市場においても積極的な活動を展開。世界チャンピオンや地元選手が参加する「ビーチフラッグ競技会」を新たに開催。この競技は俊敏さと反射神経を競うもの。また、TV東京のドキュメンタリー番組によるグアム初の海外ロケも実施。制作クルーのビザ取得には一部課題がありましたが、複数の観光地で撮影が完了。
さらに、関西空港主催の大阪旅行博にも参加し、4,500人以上の来場者と接触。SNSフォロワー数の増加にもつながりました。ユナイテッド航空、T-Way、バルディガ・グループ、デュシットホテルズなども出展した。一方で、GVBはタモン湾の藻の除去にも取り組んでおり、連邦内務省からの支援を求めている。
今後に向けて
GVBは観光回復の勢いを維持するため、資金調達の必要性を改めて強調。「何とかして資金を生み出す方法を見つけなければならない」とチウ氏は述べ、「予算の精査を行い、マーケティングに使える費用を捻出する」と語る。
次回の理事会は2025年7月24日に開催予定。