『グアムの朝刊』2025.5.13  SIFA、再び立ち退きの危機、家賃滞納額は569万ドル

2025年5月13日 Pacific Daily Newsより抜粋、要約

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サイエンス・イズ・ファン・アンド・オーサム・ラーニング・アカデミー(SIFA)チャータースクールの大家が、再び同校を立ち退かせようとしている。今回の訴訟では、家賃の滞納額が569万ドルにのぼると主張。SIFAの大家であるイーグル・ランド・ホールディングスLLCは、2024年4月30日に新たな立ち退き訴訟を提起した。裁判所に提出された資料によると、SIFAは2023年6月以降、リース契約のない占有状態(ホールドオーバー・テナンシー)で建物を使用しているとされている。

この学校には約500人の生徒が通っていると、パシフィック・デイリー・ニュースが3月に報じている。

今回の新たな立ち退き訴訟は、前回の訴訟が棄却されてからわずか1か月余りで提起された。前回の訴訟は、イーグル・ランド・ホールディングスが適切に召喚状を送達しなかったことにより、裁判官によって却下された。新たな立ち退き訴訟に関しては、5月6日(月)に、上級裁判所のショーン・ブラウン判事のもとで審理が行われた。立ち退き請求の訴状によると、SIFAの運営側は4月1日にホールドオーバー・テナンシー(契約期間終了後の占有状態)を終了する旨の通知を受けた。

通知には、学校が30日以内に退去するよう求められていましたが、裁判所提出資料によると、SIFAは退去しなかったとされている。さらに、退去通知では、SIFAが支払っていない家賃が569万ドルに上るとも主張されている。イーグル・ランド・ホールディングス側の弁護士ジョン・ラモス氏は、学校側から学年末(6月30日)までの滞在延長を求められていることを裁判所に伝えた。

ラモス氏は「私の依頼人とSIFAの間で、その取り決めについて話し合う予定の会合があるはずですが、依頼人としては学校が来月末まで敷地内に留まることを認める方向に傾いているようです」と述べた。これに対し、SIFA側の弁護士マイク・フィリップス氏は、イーグル・ランド・ホールディングスが2024年1月以降、月額6万ドルの家賃請求を停止していると主張した。

フィリップス氏によれば、SIFAはグアム政府からの資金で運営されており、請求書がなければ支払いのための処理を行えず、グアム行政局に送ることもできないと説明。これに対してラモス氏は、依頼人がホールドオーバー・テナンシー(占有状態)が継続しているとの誤解を避けるために請求書の送付を止めたのだと反論した。

同様に、SIFA側の弁護士フィリップス氏は、SIFAが支払うべき家賃の額について「大きな争い」があると述べた。「裁判官、支払いについての合意があったのは、私の記憶では250万ドルでした」とフィリップス氏は述べた。「ある時点で、相手側は『それは毎年の金額だと思う』と言いましたが、リース契約を見れば、それは5年間の期間を通しての総額であり、毎年ではないことが分かります」と説明。

フィリップス氏は、イーグル・ランド・ホールディングスがSIFAに新たな条件を飲ませるために、立ち退き訴訟を「交渉の手段(レバレッジ)」として利用しているとも主張。一方、ラモス氏は審理後にパシフィック・デイリー・ニュースの取材に対し、争点となっている金額については「法の判断に委ねる」としてコメントを控えた。

SIFAの弁護士は、以前の立ち退き訴訟で提示したのと同じ主張も再び法廷で述べた。フィリップス氏は、今回の月曜日の審理が召喚状発行からわずか4日後であり、依頼人には本来5日間の猶予が与えられるべきだったと指摘。

また、SIFAはグアム政府(GovGuam)の機関であり、政府請求法(Government Claims Act)に基づく申し立てが行われるまでは、直接訴えられるべきではないという従来の主張も繰り返した。ブラウン判事は、もしイーグル・ランド・ホールディングス側が勝訴した場合、SIFAが6月30日以降もキャンパスにとどまるのかとフィリップス氏に質問。フィリップス氏は「意図的にはございません、裁判官。ただし、学校を移転させるには、かなりの“英雄的な行動”が必要になります」と答えた。

判事は双方に協議を命じ、5月28日に再度出廷するよう指示した。ラモス氏はPDNに対し、依頼人がSIFAの来学年度末までの滞在を認める可能性もあると述べ、「完全に否定するわけではない」と語った。


今ではグアムに6校、10%程度の子供が通うチャータースクール

この10年ほどどんどんとグアムでも増えているチャータースクール。チャータースクール(Charter School)とは、公的な資金(税金)で運営される公立学校の一種ですが、通常の公立学校とは異なり、独自の運営方針や教育カリキュラムを持つことが認められている学校のようです。通常の教育委員会の管轄をある程度離れ、非営利団体や民間団体、大学などが運営主体となることが多く自治権があるよう。教育委員会や自治体などと結ぶ「チャーター(契約)」により、一定の教育目標や運営内容を定め、成果が出なければ契約を打ち切られる(閉校する)可能性もあるらしいです。また、芸術、STEM(科学・技術・工学・数学)、語学、特別支援教育など、特色のある教育を提供することが多いらしく、日系人社会の中でも子供を通わせる人が増えています。

    子供を通わせる保護者にとって学校の経営が安定していること、運営母体がしっかりしていることなどは学校選びの大きなポイントになるでしょう。今日のような記事がでると、年度末の今、新年度の入学にも影響するかもしれませんね。

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