『グアムの朝刊』2025.5.21 観光について正直に語る時が来た。

2025年5月21日 The Guam Daily Postより抜粋、要約

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最近、グアムの観光業の衰退について多くの議論がなされている。その原因としては、汚れた公衆トイレ、時代遅れのマーケティング、投資不足など、表面的な問題がよく挙げられる。しかし、私たちはもっと深刻で根本的な要因を見落としているのではないか。それは、グアムが軍事化された地域としてのアイデンティティへと変化していること。そしてそのことが、世界が私たちをどう見るかに大きな影響を与えている。

軍が新たにビーチや主要な観光地を占有したわけではない。しかし、軍事活動の拡大とその存在感の増大は、島のイメージに大きな変化をもたらしている。特にCOVID-19のパンデミックと台風マワーの後、防衛プロジェクトや安全保障の拠点としての役割が強調され、グアムは「南国のリゾート地」としてではなく、「戦略的要地」としての認識が強まった。これは決して軍に反対するという話ではなく、国防という共通の利益を共有している。この変化が経済回復や将来の方向性に与える影響を正直に見つめなければならない。

新たなマーケティング戦略を打ち出す前に、本当の問題を理解する必要がある。そして「軍事化」という言葉すら口にできないような専門家や外部コンサルタントに頼ることはもうやめるべき。その言葉が出てこないという事実こそが、この問題の根深さを物語っている。そして、私たちがこの問題に正面から向き合えていないことの証でもある。

私たちは沖縄を反面教師であり、同時に希望の例として見ることができる。かつて沖縄も、強い米軍の存在と停滞した観光産業という同じ問題に直面していた。しかし、日本政府による強力な支援のもと、軍事的拡大の抑制、文化的アイデンティティの再生、観光インフラへの大規模な投資といった方向転換を行った。結果として、現在の沖縄は、多様な観光客を惹きつける国際的な観光地として発展し、防衛予算に依存しない経済を築いている。

沖縄がかつて経験したことを、今グアムが経験している。観光業の苦境の本質は明白であり、その解決策もまた、沖縄の事例を見れば明確に見えてくる。グアムも同様の道を歩むべき。軍を排除するのではなく、それと同等の意志と支援で民間経済を押し上げるべき。

どれほど広告費やプロモーション予算を増やしても、この不均衡を覆い隠すことはできない。優先順位を見直し、軍事支出を超えた形での支援を確保しない限り、グアムの観光業は過去の市場シェアを取り戻すことはできないだろう。

これは「どちらかを選べ」という話ではなく、グアムが「戦略拠点」としてだけでなく、「訪れる価値のある場所」として、太陽と白い砂浜、人混みのないビーチ、そして穏やかなホスピタリティで知られ続けるための選択なのだ。


あるがままに

時代の流れを受け入れ、オリジナルの文化を大切に、島の美化を維持し、その営みや姿に魅力を見出す。その方向性に賛同します。世界情勢の変化やグアムの地政学的立ち位置は如何ともし難い、ならば素直に受け入れそこから今のグアムを発信する、それが新しいグアムの魅力になるといいですね。

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